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Jun 19
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たとえば、よく読まれている少年文学だからご存じの方も多いかもしれませんが、無人島で暮らす『ロビンソン・クルーソー』のお話がありますよね。無人島に流れ着いて28年間ひとりで生きる男。最後の最後にちょっとだけフライデーという男が出てきますけど。

 そして、もう一つ有名な、難破して島に流れ着く小説に『ガリヴァー旅行記』があります。島へ着いてみたら、人間の十分の一の小人の国で、体中をロープで縛られたり、戦争に巻き込まれたりと、いろいろある冒険の物語です。どちらも非常によく知られたイギリス文学ですが、『ロビンソン・クルーソー』が書かれたのが1719年、その7年後に英語で書かれていますから、イギリス文学といって間違いじゃないですが、正確に言うとアイルランドに住んでいたスウィフトという作家が書いた小説が『ガリヴァー旅行記』です。

 これはあまり知られてないことですが、『ガリヴァー旅行記』は、じつは『ロビンソン・クルーソー』のパロディとして書かれたのです。いや、ちょっとパロディとは違うかもしれない。すごく気に入ったからまねして書いたというよりも、むちゃくちゃ腹が立ったから喧嘩を売るために書いたんです。そういうつながりだと私は思っています。

(中略)

 その『ガリヴァー旅行記』のいちばん最後の章に「さて、ここまでいろいろ我輩の冒険を読んでもらったが」というふうな終わりのセリフのようなのが書いてあって、「ところで我輩はここに紹介した国々に皆さんが行って領土にして、植民地にすることをおすすめしない」と書いてあるんですね。そこがデフォーに対する痛烈な喧嘩腰のセリフで、そこを読むと面白いわけです。「なぜなら植民地支配というのは武器をもっていないところへ鉄砲をもっていって族長を殺して、女を犯して、全員つかまえて財宝を全部盗んでくることだからである」と書いてあります。つまりそれが『ロビンソン・クルーソー』の思想だろう。おれはそれを認めない、という宣言のようなところがある。